【NHK紅白】ウッチャン奮闘も視聴率は時代の流れに逆らえず?全世代型の限界

2018年の三が日に早くも昨年末のテレビ番組の視聴率が発表されたが、取り分け注目されるのは、NHKの『紅白歌合戦』を始めとした大晦日の番組。

かつては、紅白の裏に放送される民放の番組は、勝負にならない”捨て試合”であったが、いまでは日本テレビの『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の「笑ってはいけない」シリーズが民放で唯一、紅白を食える番組として定番化、その健闘も気になる所となっている。

紅白が「特別」という価値観の終わり

今回の「第68回紅白歌合戦」は、視聴率という結果で言えば、関東地区で、39.4%と、前年を0.8%下回った。

前半は微増したが、目玉だった安室奈美恵が出演した後半に数字が伸び悩むという結果となり、40%を切ったことが響いたようだ。

一方、民放1位の「ガキの使い」は、第1部(後6:30~9:00)で17.3%、第2部(後9:00~深0:30)で16.3%で、前年からほぼ横ばい。

ただ、紅白も全国的に見れば、前年より上昇している地区が半数あり、全体的にはほぼ横ばいで、数字はどちらも誤差レベルの変動である。

「家族で紅白を見て年を越す」

紅白歌合戦は、もちろん歌番組である。

しかし、ただの歌番組ではない「歌合戦」という、その年最後の「特別なお祭り」でもあるというのが、これまで日本人にとっての紅白だった。

それは、テレビの時代になってから確立された、大晦日における日本人の典型的な過ごし方であり、それが当たり前だったのだ。

だが、時代は変わるもので、いつまでも昭和から続く「娯楽」(テレビの役割、価値観)が、今の時代にも当てはまると考えること自体に無理がある。

世代を越えてヒットする歌がない時代

紅白が60%も70%も視聴率を取っていた時代は、テレビが一番ぜいたくで、家庭における娯楽の中心、テレビから流れてくるものすべてが新鮮だった時代だ。

一家に1台のテレビを家族で見る、そして、世代を問わずに共有できたのは、まさしく歌だったのだろう。

レコーダーも無く、テレビに噛り付いて大好きな歌手の歌を聞くしかなかったのだから、紅白が特別だったのだ。

そうした時代に生まれた番組だと考えれば、モノと情報が溢れ、何事も便利になり過ぎている今においても、紅白というフォーマットが変わらず残っていること自体、ある意味「奇跡」なのかもしれない。

もはや、世代間で共有できる歌(流行)が生まれない環境にあり、全世代に向けて「バランスの良い番組」なんてことが不可能になってきている中で、紅白が今でも40%近い視聴率で推移しているというのは、この時代にあっては踏みとどまってる方なのかもしれない。

司会者の奮闘も時代の流れには逆らえず!?

今回の紅白(2017年末)は、白組の二宮和也、紅組の有村架純に加え「総合司会」にはアナウンサーではなく、ウッチャンナンチャンの内村光良(ウッチャン)を起用するという、最近ではあまり例のない体制となった。

それはある意味、近年のアイドルや若手女優による司会に、いまいちインパクトが無かったことへの「テコ入れ」とも言えるが、発表時には予想外の起用に「期待と不安」の声は確かにあった。

しかし、蓋を開けてみれば、そこは長年ウッチャンとして親しまれている理由が良くわかるというか、これがお笑い畑で場数をこなしてきたベテランの力とでもいうのか「総合司会なんてアナウンサーでも良いのでは?」といった声をかき消すほどの働きっぷりで、むしろアナウンサーとの次元の違いを見せつけられた。

安定感とユーモアのあるコメント、また自らの笑い(コント)をも取り込み、近年の司会者に比べ、圧倒的な仕事量をこなし、また、それが二宮と有村の余裕にも繋がり、実に良い関係性で進められていた。

だが、こうした司会者の奮闘もむなしく、視聴率的には前年を下回り、再び40%を割るという結果に・・・

特に、前年の演出や司会の進行には反省点も多いと言われた中、今回は経験豊富なベテランを「総合司会」に立てたことによって軌道修正され、放送直後から安定感があったと評判は上々で、狙い通り番組としては成功したはずだが、それが数字には現れなかった・・・

これを、NHK的にはどう見るかだ。

当然、今の時代ということを考えれば、全体的に視聴率の減少傾向は避けられないし「テレビ離れ」が指摘される中で、紅白だけは例外というわけにはいかない。

評価を間違えれば再び迷走も・・・

結局は、実際に視聴した人がどういった評価を下しているかだ。

前回の不出来や、近年の不満から「紅白離れ」を引き起こしたことも考慮しなければならないし、あくまでメインは歌手(アーティスト)であり、演出や司会者は添え物で引き立て役。

ここで「0、何パーセント」上がった、下がったと、誤差のような数字に振り回されて、肝心なことを見誤ると、数字以上に満足度の低下を招くことになるだろう。

出場歌手に関しても、世代間のギャップを埋めようとすれば、人選は益々難しくなり、いずれは黙っていても30%、そして20%だって切る時はやってくるはず。

そういった視聴率の避けられない自然減を受け入れて、どう満足度を上げていくのかが今後の課題となるだろう。

そのヒントは少なからず今回の紅白にはあったと、個人的には感じた。

◇  ◇  ◇

「テレビ離れ」ということ自体、NHKだろうが民放だろうが共通の危機意識を持っているはず。

大晦日で民放のトップに君臨している「ガキの使い」にしても、視聴率は10%台後半で頭打ち、今後もマンネリや出演者の高齢化で伸びしろはないだろう。

それでもテレビは在り続ける・・・

全世代向けではなく、どの世代に向けてなのか、どういった人に見てもらいたいのかを明確にし、満足度を高めることが数字よりも大切になってくるのではないだろうか。

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