【鹿島】ACL敗退で監督解任!昨季2冠も不安定?タイトルに隠された選手の不満

出典:鹿島アントラーズオフィシャル

今年、ACLの予選をグループ1位で突破した鹿島アントラーズ。ベスト16での対戦相手となった広州恒大(中国)とは、アウェイの第1戦に0-1で敗れており、昨日、ホームで行われた第2戦に、ベスト8進出の望みを掛けて挑んでいた。

結は2-1で勝利。しかし、トータルスコアで2-2にはなったものの、アウェイゴールを奪っている広州恒大が勝ち上がり、鹿島はベスト16で敗退となった。

この結果が引き金になったのか、今日、石井正忠監督(50)の解任が発表された。

昨季2冠も、どこか不安定なチーム状況

昨年は、鹿島にとってある意味ジェットコースターのようなシーズンだった。

結果的には「Jリーグ優勝」「天皇杯優勝」の2冠。

そして、それ以上に印象に残ったのが「クラブW杯でアジア勢として初の決勝進出!」という番狂わせを起こし、決勝では、あの「レアルマドリード(スペイン)」と対戦。

試合は延長戦で2-4と敗れたものの、欧州王者を延長戦にまで引きずり込み、最後まで苦しめたサッカーには、世界中のメディアから賛辞が送られた。

これだけ見れば、まさにJリーグの「トップランナー」として輝かしいものだ。だが・・・

監督の信頼が揺ぎ、崩壊寸前

昨年までの2ステージ制で、見えにくくなっているが、1stステージにおいての鹿島は絶好調、文句なしの優勝だった。

しかし、2ndステージでは11位。両ステージともに17試合ずつだが、1stでは2敗と文句なしの成績だったが、2ndでは9敗という散々な成績。

チャンピオンシップ(CS)で勝負強さを発揮し、結果的には年間の優勝チームとはなったが、Jリーグの変則的なシステムに救われた感が否めなかった。

単純に年間の「勝ち点」を見ると、チャンピオンとしては微妙な鹿島の状況、心境も透けて見えるのだ・・・

1、浦和(74)2、川崎(72)3、鹿島(59)

それがCS終了後には・・・あれ?

1、鹿島(59)2、浦和(74)3、川崎(72)

この数字の差がどれほど大きいかと言うと、年間の34試合で、浦和と川崎は6敗、一方、鹿島は11敗。単純に負けの数だけ見ても、鹿島はこれだけ「負けていた」ということだ。

この現実をひっくり返されてしまったCSの理不尽さは、さておき、浦和とのCS決勝、第2戦のアウェイ(埼玉スタジアム)では、今の監督解任に結びつくような印象的なシーンがあった。

不穏な空気は大一番でも・・・

鹿島は第1戦のホームで0-1と負けていた、そして第2戦のアウェイでは、浦和が前半早々に先制、鹿島としては厳しい状況に追い込まれるも、前半のうちに追いつく。

後半、どちらも追加点がないまま終盤へ・・・そしてここで、ある気になるシーンがあったのだ。

70分を過ぎ、このまま得点が出来なければ浦和の優勝という状況で、最年長でキャプテンでもある小笠原選手の交代が告げられる。すると、明らかに納得がいかない小笠原選手は(監督に対し)怒りを見せた。

ある意味、不調だったリーグ終盤のチームを物語るシーンだったが、その後、鹿島はゴールを奪い、トータルスコアで2-2ながらもアウェイゴールの差で優勝した。

結果的に勝利したから、こういった部分が見過ごされているが、そのまま負けていたら、おそらく選手と監督の信頼関係は完全に崩れていてもおかしくはないシーンだった。

なぜ、CS、クラブW杯では強さを見せたのか?

どちらの大会も、鹿島に共通してあったのが「ノンプレッシャー」だったということ。

Jリーグの最後の最後まで、年間勝ち点1位を目指して、厳しい試合をしてきた浦和と川崎は、体力的にも精神的にも、疲労感はあったはずだ。長距離移動、時差などの影響が考えられたRマドリードも同じだろう。

どちらも鹿島にとっては「負けて当たり前」の中で、体力的、メンタル的な余裕、ホーム(日本)開催という有利な面を最大限に生かし、モチベーションを高く保てたことが快進撃に繋がったといえる。

ある意味、その状況を力にできるのが鹿島であり、それが「勝者のメンタリティ」と言われるものなのかもしれない。

鹿島にくすぶっていたもの・・・そして訪れた解任

昨年の結果を受けて、評論家の間でもJリーグの優勝予想として鹿島を挙げた人が多い。

これまでの成績を見ると、ACLベスト16、Jリーグも混戦だが、上位に着けている。ACLは敗退したが、去年は出場自体できなかった訳で、予選突破という最低条件はクリアしている。

リーグの方も、まだ半分も終わっていない段階で、と思うのだが・・・

しかし!あっさりと「石井監督の解任!」

石井監督は2015年の途中から就任し、15年「ナビスコカップ」、16年「Jリーグ」「天皇杯」と3つのタイトルを取っている。普通なら、賞賛されるべき監督のはずだが・・・石井監督については結果が、必ずしも評価に繋がらない現実があった。

CSで浮き彫りとなった小笠原選手の不満。それ以前にも、FWの金崎選手が感情を爆発させる事件もあった。ある試合で、交代を告げらた金崎選手は、ベンチ前に戻ると、周りの目も気にせず石井監督に「激ギレ」。

その、あまりにも醜い態度に、石井監督よりも、日本代表のハリルホジッチ監督の反感を買うことに・・・(当時、日本代表に選ばれていた金崎選手は「代表選手に相応しくない」と、その後、代表の選出はない。)

少なくとも、こういった反乱が節々に見られたということは、石井監督がチームを掌握できていなかったということだ。

見た目は、タイトルに恵まれ、順風満帆に思えたが、監督と選手との微妙な関係は、今季も鹿島の中にくすぶっていた。去年は一時、体調不良でチームを離れたこともあり、石井監督は常にマネジメントに苦慮していたと考えられる。

これが鹿島。これも鹿島。

元々、鹿島というチームは、精神論というか、最多タイトルホルダーとしてのプライド、ジーコイズムと言われる「献身・誠実・尊重」というような「伝統的な共通意識」に強く支配されているチーム。そこで良く言われるのが「勝者のメンタリティ」。

タイトルの掛かった大一番で発揮される鹿島の「勝負強さ」は、チームとして、こうしたメンタルを持っていることが、一つの要因として挙げられるが、監督になる人は、クラブの一貫した理念に当てはめた指導が求められる為、時に強い志向が邪魔をする場合がある。

このような鹿島の考え方には、メリットも大きいが、不調に陥った時(低迷したとき)に、新しい風というものが持ち込みにくいという側面もあり、監督は難しい舵取りが求められるのだ。

そういう意味で、鹿島というクラブは独特なのだが、数多くのタイトルを取ってきた歴史から見ても、一貫性というものが有効なことは証明されている。

選手のマネジメントが重視されるがゆえ、石井監督が選手を上手く扱えなかったのは致命的だった。厳しくも見えるが、鹿島の側に立てば、この状況は「解任やむなし」だろう。

鹿島では、時に監督が「雇われ店長」的な、扱いを受ける場合もあるが、これも鹿島のやり方。必ずしも「監督が絶対ではない。」「指示待ちのサッカーはしない」これが鹿島のメンタル。

だからこそ選手の意識が高いのかもしれない。

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