Jリーグ欠陥2ステージ制は鹿島のCS優勝で幕!浦和へのリスペクトが必要の訳

Jリーグは現在2ステージ制で行われている。リーグ戦の日程が終わると、チャンピオンシップ(以下、CS)というプレーオフが始まるのだ。

そして、このCSには、シーズンの長きにわたって積み重ねてきたリーグでの「勝ち点」という、サッカーにとって絶対的な指標が、結果として無情にもひっくり返されてしまうという可能性が多く存在する。

強さの指標とは?

今年は、年間を通してリーグを引っ張ったのは『浦和レッズ』(以下、浦和)と『川崎フロンターレ』(以下、川崎)である。年間の勝ち点争いは最終節までもつれ、結果は浦和74、川崎72と、ハイレベルな戦いとなり、浦和が悲願の年間1位を勝ち取った。

そして、1stステージ(前期)優勝の『鹿島アントラーズ』(以下、鹿島)は59の3位。世界標準である「1シーズンの勝ち点争い」では、浦和がJリーグの優勝である。

その世界の潮流から外れ、再び2ステージ制(3度目)と、新たなCSのシステムが導入されてから2年目、そこで起こってしまった下剋上という名のちゃぶ台返し。

稚拙なシステムの1番の被害者

来年は、再び1シーズンでの勝ち点争いとなり、CSも無くなる・・・随分とコロコロと変わる運営に???だが、試してみて見えたものもある。まあ、やる前から理不尽さが生まれることは指摘され、反対の嵐だったが・・・

ある意味、サポーターの気持ちなど考えず、目先の利益しか考えていない、Jリーグを動かす一部の人間の芯の無さに振り回されただけだったのかもしれない。

当然、いつまでも続くわけもないのは目に見えていたが、案の定、CSのシステムは稚拙で、話にならないレベルであった。

去年、2ndステージ優勝、年間勝ち点2位の浦和は、年間勝ち点3位のガンバ大阪(以下、ガンバ)と、年間勝ち点1位のサンフレッチェ広島(以下、広島)と戦う、CS決勝に進むための準決勝を行った。

結果は1-3でガンバの勝ち。

しかし、1-1の同点で延長戦までもつれた末の決着だった。

年間の勝ち点、浦和72、ガンバ63で、その差は9(3試合分)これだけの差がありながら引き分けさえ許されなかった浦和に同情の声が上がったのは言うまでもない。

案の定、今年の準決勝は、年間勝ち点で上だったチームは引き分けでもOKとなった・・・この時点で去年の浦和は・・・

そして、今年、念願の年間勝ち点で1位となった浦和(74で過去最高タイ)は、CS決勝で、川崎か鹿島を待つことに。準決勝は0-1で鹿島が勝利し、決勝は浦和vs鹿島のホーム&アウェーで2試合戦うことに。

第1戦は、鹿島のホームで浦和が0-1で勝利。第2戦は、浦和のホーム「埼玉スタジアム」に59837人という、国内のスポーツでは圧倒的ともいえる大観衆を集めて行われた。

結果は1-2で、アウェイの鹿島が勝利。これで2戦合計スコア2-2。この場合、アウェイゴールの優位性が発揮され、アウェイで2点を取った鹿島が優勝となった。

相変わらず、タイトル馴れしているとでも言うべきか、鹿島の勝負強さには目を見張るものがある。もちろん、サッカーにおいてホーム&アウェーの戦となれば、観衆を味方につけたホームが有利と考えるのが普通だ。

よってアウェイで上げたゴールが重要視される。これは世界標準であり、ヨーロッパ・チャンピオンズリーグでもおなじみのシステムである。

しかし、JリーグのCSは独自であり特殊なシステムで、単なるトーナメント戦とは異なる。あくまでもリーグ戦での結果がありきで組まれたトーナメント。当然、下位のチームが、上位のチームと同条件である必要はないはずなのだが・・・

むしろアドバンテージがなければ、長いシーズンの頑張りは報われない。

そこで、準決勝では上位の川崎がホームスタジアムを使い、引き分けでも勝ち上がれる(今年から)ようになっている。

問題は決勝である。ちなみにチャンピオンズリーグでは、前もって決められたスタジアムで一発勝負(延長、PKまで)。

だが、なぜかJリーグのCSは、準決勝が一発勝負で決勝がホーム&アウェーという?なシステム。

まあ、それは100歩譲って良いとしても、年間の勝ち点差が15、リーグで1位と3位の戦いにアドバンテージがほとんど存在しないことに問題がある。

厳密には多少のアドバンテージはあるのだが・・・

リーグ年間1位に与えられるものは?

鹿島は第1戦、ホームでの戦いが平日の夜になることと、準決勝からの試合間隔という体力的ハンデを負い、浦和は疲労がない状態となる。(リーグ戦が終わり一旦間が空くため、試合勘を考えると微妙との意見も)

そして第2戦は、土曜の夜にホームで開催できる浦和の方に、集客的なアドバンテージとなるだろう。だが、これらは、精神的、興行的、また体力的なある意味目には見えないもの。

唯一スコア的なアドバンテージは、アウェイゴールでも並んだ時。例えば、どちらもアウェイで0-1、0-2などで勝って、トータルスコアで並んだ場合は、リーグ上位の浦和の勝利となる。

この場合、本来は第2戦で延長、またはPK戦までもつれ込み決着をつけるが、このように同条件で引き分けた場合だけに、アドバンテージがあるのだ。

勝ち点15の重みは、サッカーを知る者からすれば分かるだろう。5試合勝ってやっと得られる勝ち点だ。その積み重ねを考えると、このアドバンテージが如何に微々たるものか理解できるのではないだろうか。

鹿島がCSによって、唯一リーグの結果をひっくり返せるとするならば、完全勝利を条件とするべきだろう。

ホーム&アウェーで2試合やるならば、要は第1戦は前半、第2戦は後半だ。

今回の結果をこの2試合に当てはめれば、こんな感じである

~試合の流れ~
前半、浦和が1-0のリードで終了。そして後半、立ち上がり早々に1点追加の2-0。そのあと鹿島が1点返し2-1。さらに勢いに乗る鹿島に浦和がたまらずファウル。鹿島はPK獲得。それを落ち着いて決め、2-2に追いつく。お互い勝ち越せずそのまま試合終了。

この流れを見れば、今回の決勝は単純に引き分けということ。昨年のCS準決勝のガンバ戦で浦和が味わった、リーグの結果を踏まえても「引き分けさえ認めてもらえない」パターンと同じではないか?

そうなると、2年続けて浦和が、理不尽なシステムの被害者と言えるのかもしれない。

来年は再び1シーズン勝ち点制、CS廃止

もう、CSが始まる前にアナウンスされている、来年以降の方針だ。要は「新しいCSを考えたので、2ステージ制にします」というJリーグの改革は、たった2年で終了。結局、あれだけサポーターに拒否され、強引に進めたわりにあっさりと方針転換。

過去に、年間を通して好成績を残したチームが報われないと散々言われて、やっと世界のリーグに合わせた年間勝ち点の重要性。それを、2ステージ制になにを求めているのか、忘れたころに持ち出してくる。

確かに興行的に言えば、重要な試合が増え、客足も伸びるかもしれない。現にCS決勝の第2戦は、約6万人という異次元ともいえる観客動員があった。これも浦和のなせる業なのかもしれないが、相当インパクトはある。

だが、本来、観客を呼び込む努力をするのは、各クラブチーム。安易に試合数を増やすことは、選手の負担や、モチベーションに大きな影響を与え、真のチャンピオンというものにもブレが生じる。

そして、スポーツに最も必要な厳格さを失う可能性だってある。リーグとしての考え方は常に一貫していなければならないはずだ。

必死さが報われない?欠点をさらけ出したCSのシステム

特に今年の鹿島がそうだ。

鹿島は1stステージは絶好調。川崎を押しのけてステージ優勝した。この時点で、2ndステージをたとえ全敗してもCSには出られるし、上手い事、好調のタイミングが合えばチャンピオンになれる。

結果、鹿島の2ndステージは11位、勝ち点20と浦和の半分以下。負けは9試合で2ndだけで見れば、J2に降格が決まった名古屋グランパスと負けの数が1つしか違わないという不甲斐なさ。

一方、浦和と川崎は、シーズンを通して強さを発揮し、お互い年間勝ち点で1位を取ることに必死になって戦った。

これらのチームの違いが分かるだろうか。

精神的、肉体的、緊張感(プレッシャー)のどれを取っても、浦和と川崎の消耗は激しかったということだ。

そして、互いに勝ち点70に到達するという、レベルの高い年間争いになり、リーグを盛り上げたのである。

別に鹿島が悪いのではない。むしろガタガタになったチームをCSまでに立て直したのだから、やはり「腐っても鯛」ともいうべき鹿島。

これは、過去に経験した2ステージ制の危うさを無視して推し進めたJリーグの罪だ。

本当にリスペクトするべきチームとは

川崎は、浦和には及ばなかったが、年間2位、勝ち点72は素晴らしい成績。浦和に至っては10年間、どうしても取れなかった年間で1位になることを達成した。また、カップ戦(ルヴァンカップ)も制し、チームは強さに安定感をも身に着けてきた。

それを証明するのは、2年連続Jリーグ年間勝ち点70超え。

今シーズン、最終的にチャンピオンとなったのは鹿島。ルールに乗っ取って得られたタイトルなのだから胸を張って良い。

だが、今年のベストチームは浦和か川崎のどちらか。やはり、積み上げた勝ち点は嘘をつかない。

奇しくも2ステージ制を真っ向から反対していた浦和は、一番恐れた「年間勝ち点1位が優勝として認められないこと」を体現することになったが、その奇妙なシステムが実施された期間中(2年)に積み上げた勝ち点は「146」(次点は川崎、ガンバの129、ちなみに鹿島は118)

よく結果が番狂わせになったりすると「強いチームが勝つんじゃなく、勝ったチームが強いんだ」と言われるが、確かにそうだ。たとえ昨日まで負けていた相手にだって、今日勝てば勝った時だけはそう言える。

しかし、この勝ち点を見れば「勝つチームが強いんじゃなく、勝ち続けるチームが強いんだ」と感じる。これは年間を通しての評価が軽くなってしまった2ステージ制だからこそ染みてくる。

この数字の凄さは中堅のチームなら3年掛かってもおかしくない成績だからだ。

別に浦和を持ち上げるわけでも、鹿島を下げるわけでもないが、時に勝負弱いとも揶揄される浦和が、これだけのプレッシャー、相手チームのモチベーションに対峙しながら、これだけの勝ち点を上げているという事実は、いちサッカーファンとしてリスペクトしなければならない。

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